広島禁煙支援ネットワーク

たばこの健康障害

妊娠とたばこ

たばこの煙の有害成分の中で、妊娠に悪影響を及ぼす主な成分は、一酸化炭素とニコチンです。
これらの作用により、胎児は妊娠中、低酸素状態にさらされます。
そのほか、たばこの煙に含まれる発がん物質も、胎盤を通して胎児に移行するといわれています。
 健康日本21 
  目標数値:2010年までに妊産婦の喫煙を0 にする



1.おなかの赤ちゃんもたばこを吸わされています

おなかにいる赤ちゃんからのメッセージ
「お願いだから、たばこを吸わせないで!」(右図)
(アメリカ癌協会政策、一部改変)

お願いだから、たばこを吸わせないで!

新生児の尿からもニコチン、コチニンが検出される
【生後間もない新生児の尿を調べた報告です。】

受動喫煙妊婦5人のうち、夫が妻を乗せた車の中で2,3本喫煙するのみの新生児の尿からは、ニコチン・コチニンは検出されませんでしたが、父が1日5本以上喫煙する4人の新生児の尿からは、微量のニコチンが検出されました(左の5人)。
喫煙妊婦から生まれた新生児の尿中ニコチン・コチニンは高値でした(右の2人)。

新生児の尿中ニコチン・コチニン濃度
 *日本小児科学会誌 「受動喫煙妊婦から生まれた新生児の尿中ニコチン濃度について」
後藤幹生 ら


2.たばこによる妊娠異常

妊婦がたばこを吸っていると、早産のほか、出血、破水の異常 (前期破水など)、前置胎盤、常位胎盤早期剥離、周産期死亡など いろいろな妊娠・出産の異常や新生児異常が起こりやすくなります。 また、早産は未熟児出産につながります。これらの異常は、いずれも たばこを吸う量と深い関係があります。夫が喫煙者である場合も、そうでない場合に比べ妻の異常妊娠の割合が高いという調査があります。
低体重児
 妊婦がたばこを吸うと、SFD児(妊娠週数に比べ体重の軽い児)や 低体重児(2,500g未満の児)が生まれやすくなります。そして、これは たばこの量と関係が深く、1日10本以上吸う人では特に注意が必要です。
周産期死亡
 周産期死亡とは、妊娠28週以後に死産したり、生後1週間未満に死亡 (早期新生児死亡)したりすることをいいます。たばこを吸っている妊婦 では、周産期死亡率が高くなり、1.2〜1.4倍にもなるといわれています。 そして、たばこの量が増えれば増えるほど、周産期死亡率が高くなります。
先天異常
 妊婦のたばこと先天異常との関係には一致した見解はありませんが、喫煙者(特にヘビースモーカー)には先天異常の発生率が高いという報告があります。


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